前十字靭帯断裂の再発が多いのは動き方に問題があって筋肉量ではないということが腑に落ちました。
来院された経緯・理由
サッカーをやっていて試合中に前十字靭帯を切ってしまいました。全治8か月の大怪我で手術も必要な怪我でした。怪我の事を調べていくと再発が多い怪我で特に女子で自爆での前十字靭帯断裂は再発が高かったです。筋肉量だけが理由ではなく他に大きな理由があるんじゃないかと家族で話していました。
無事手術も終わって入院中に父から高橋先生のYouTubeが送られて来ました。
内容は前十字靭帯断裂の再発が多いのは動き方に問題があって筋肉量ではないというものでした。他の動画を見ていても腑に落ちるものが沢山ありました。
院長からのコメント
前十字靭帯を断裂・損傷は女子サッカー選手には多い、大きいケガの一つです。もちろん、女子だけでなく男子でも起こりますし、サッカーだけでなくバスケなどでも多いケガです。
受傷直後は手術ができず、手術が終わってからも長いリハビリ期間が必要となります。
全治8か月~10か月にもなり、期限がある学生には特に大きな影響を与えてしまいます。
一般的には、靭帯に負担がかからないように、筋肉で支えられるよう筋力強化を行います。
それでも20%~30%の方が再断裂をしてしまうという報告があります。
整形外科領域で手術後の再発率が高いと言われているものがヘルニアの手術ですが、それでも再発率は20%に届かないくらいです。
そう思うと、前十字靭帯断裂の再建手術後の再発率はかなり異常だと言えます。
ここからは私個人の見解になりますが、
一般的なリハビリを行って、再発率が20%~30%もの再発率になってしまうのであれば、一般的なリハビリだけでは不十分な要素があるのだと思います。
前十字靭帯再建手術後、リハビリを経験された方からのお話を聞くと、
「大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)の筋力が不足しているから支えられなくて断裂したから、もっと強化しないといけない」と言われた。
とおっしゃる方が多いです。
元々、スポーツも経験してきて大腿四頭筋も太いのを気にしているのに、もっと太くして筋肉をつけないといけないのか…
と皆さん落胆されていました。
実は、前十字靭帯を断裂・損傷してしまう人たちの特徴として、大腿四頭筋が太いという傾向があったりもするのです。
ですので、大腿四頭筋が筋力不足だから膝を支えられなくて、前十字靭帯を断裂・損傷する、ということではなく、
大腿四頭筋に負担をかけるような体の使い方・動き方を普段からしていることで、膝に負担をかける癖があるから、前十字靭帯を断裂・損傷しやすい、ということなのです。
実際に、大腿四頭筋が発達している方の動き方では、股関節ではなく膝関節を主に使っているために、股関節周りの筋肉が使えていない方が多いです。
膝を主に使っているために、膝にかかる負担が大きくなりがちで、その結果、前十字靭帯を断裂・損傷につながってしまうというケースが多いのではないかと考えています。
このことから実は、前十字靭帯の再建手術後にするべきことは、(大腿四頭筋の)筋力強化ではなく、膝主導から股関節主導の体の使い方や動き方を身に付けるということの方が優先度は高いのです。(もちろん最低限、筋力強化も必要ではある。)
ただ、この体の使い方や動き方ということについては、身体感覚、個人の感覚によるものが大きく、エビデンスや論文という形に表しにくいものでもあります。エビデンスや論文がないものに関してはどうしても整形外科など病院では扱えない領域になってしまいます。
一般的なリハビリでは、筋力や可動域などの数値化できるものを基準にしかできないということもあるのです。
経過
今回、ご相談いただいたタイミングが退院してすぐのタイミングでしたので、負荷の高い動きはできない状態でしたが、出来る範囲で動作改善オンラインをスタートしていきました。はじめは、立姿勢や歩き方から改善点が多く見られましたが、作成した個別ワークを一日に何回も実施していただいたおかげで、動作分析を行うごとに、体の使い方・動き方は変化していきました。
整形外科で言われていた予定よりも早く動けるようになってきて、リハビリ期間の短縮も目指せましたが、時期的なこともあり、焦ってもメリットよりもリスクの方が大きいということで相談の末、しっかりと完治させていく方向にしていきました。
動けるようになるに従い、以前よりも走りやすい、体が軽い、蹴りやすい、などの動きやすさも感じていただき、体の使い方・動き方が良い方向に変わってきたことも実感していただいていました。
患者さんの感想
退院して連絡をして動作改善オンラインを始めました。走れる状態ではなかったので装具付きで歩いてる状態からのスタートでした。一回目は立ち姿から指摘が多かったです笑笑
そして、送られてきたワークを1日何回もやる2週間を過ごしました。2回目のチェックの時は前よくなかったところがいい方向に変わってて素直に嬉しかったです。
ワークも簡単でどこでも出来るものが多かったのも続けられた要因だったと思います。何回かそうゆうやり取りをし走れるようにもなりました。
春から寮に入るということもあり一回直接話したいという事で京都まで行き直接高橋先生と会って話しオンライン上では伝えにくいことも教えてもらいました。
動作改善したおかげで止まる時に膝が頑張らない、もも裏を使った走りが無意識に出来るようになりました。
ワークも体に染み付いてるので時間がある時に今自分に必要なワークをすることが出来ます。
再発しないよう毎日ケアをしこれ以上のレベルアップに繋げて行こう思っています。
〇お父さんからの感想
6/14に完全復帰の日を迎えました!
高橋先生のおかげで元気にこの日を迎える事が出来ました。
本当にありがとうございます!
私としては先生とのやり取りも娘にとって貴重な経験になると考えていました。
大人の方としっかりやり取りをする。
自分の状態をしっかり自分の言葉で伝えられるようにする。
このような経験は中高生にはなかなか出来ません。
実際、娘は先生とのやり取りを通じて以前より自分を客観視出来るように成長したと感じています。
東京にいる時は私も娘が連絡している様子はある程度確認していました。
しかし仙台に行ってからは全く確認出来ていません。
仙台に行ってからの3ヶ月間は高橋先生にご迷惑をかけていないかハラハラしていました。
やり取りの中で失礼な点などあったと思いますがご了承下さい。
予定では6/14から完全復帰なのですが、実は6/10に対外試合に復帰しています。
紅白戦復帰期間に紅白戦の予定が全く無かった。
6/10に紅白戦より強度の低い相手と練習試合が組まれた。
そのような理由から本人より6/10の練習試合に出ようと思うと相談がありました。
このように本人がしっかり考えての話でしたので私も止める事なくゴーサインを出しました。私も仙台まで観に行ってきました。
練習試合の相手は運動量は少なめですが球際などはそれなりに激しい相手でした。
娘は20分×2本に出場し、1ゴール決めました!
動きはスムーズで全く問題ない感じでした。
スライディングを2回受けてヒヤッとしましたが全く問題無くてホッとしました。
昔の動画と見比べると動きは相当改善されたように見えます。
しかしまだまだ改善の余地はあるようにも感じます。
娘とはオンラインは一旦終了だけどここがゴールじゃないから引き続きワークをルーティンとしてしっかり継続していこうと話しています!
今後実戦を重ねていく中でどのような変化が見られるかとても楽しみです!
ちなみに私は娘は高橋先生と出会う為にあのタイミングで前十字靭帯を切ったんだと思っています。大袈裟ですが(笑)でも本気でそう思っています。
あのタイミングで切らなければ高橋先生まで辿り着けませんでした。
高橋先生と出会わなければこのような復帰プランは描けませんでした。
そういう意味でも娘は本当に持っていると思います。
正直感謝の気持ちを述べるとまだまだ文章が止まりません。(笑)
ですが既に凄く長文になっているのでひとまずこの辺で。
半年間本当にありがとうございました!!
引き続きご迷惑にならない程度に娘の様子などお伝えさせて頂ければと思います。
これからも宜しくお願い致します!
※施術効果には個人差があります。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。