「大会の直前やのに…」「なんでこんな時に…」│大事なタイミングで起こる肉離れを防ぎたい!

「大会の直前やのに…」「なんでこんな時に…」│大事なタイミングで起こる肉離れを防ぎたい!

「来週に大会があるんです…」 「今週末に旅行があって…」 「今度、ゴルフコンペなんです」

などなど…。

大事な時に限って、なんでこんなことになるんだろうか…

ちょっとしたことで、「ブチッ」って音がして、歩けなくなりました。

 

整形外科に行って診てもらうと、「肉離れ」だと言われ、「2~3週間の安静」、「シップで様子見」

来週に、今週末に、大事な用事があったのに…

 

というお悩みで当院に駆け込んでこられる方も多いです。

 

このブログではそんな肉離れになってしまった時に、最短で治していくために必要なことをお伝えしています。

 

 

  • 肉離れってなに? なんで起こるの?

 

肉離れとは、筋肉が急激な負荷や衝撃によって部分的に損傷・断裂する怪我のことです。
ですが、急激な負荷や衝撃だけでなく、日常の中のちょっとしたことでも肉離れは起こることもあります。

 

ちょっと走り出した時に「ブチッ」と音がした。
後ろからボールが当たったような衝撃があった。

 

明らかに、肉離れをした!みたいなことがなくても、実は肉離れは起こります。

しかも、「いつもと同じようなことしかしてないのに」という方も多いです。

 

なぜこのようなことで肉離れは起こるのでしょうか?

 

肉離れは筋肉が損傷・断裂した状態のことなんですが、

 

筋肉が損傷するのは、筋肉の許容量以上の負担がかかった時です。筋肉が耐えられるくらいの負担なら筋肉痛程度でおさまったりします。

 

この許容量というのがミソで、常に一定の許容量が確保されている、というわけではないのです。
詳しくは下の図を見てみてください。

 

水が負担、水が入っている容器が筋肉として考えてください。

 

普段の生活や練習やトレーニングなど、基本的には何をしていても負担が蓄積していきます。

負担は蓄積していくだけでなく、もちろん、回復という形で抜けていきます。

 

この時の負担の量と回復の量がバランスが取れていれば問題ないのですが、、、

負担の方が大きくなってしまった状態が続くと、回復しきれなかった負担が徐々に蓄積していくようになります。

その結果、、、どんどん筋肉の許容量を満たしていって、最終的に溢れてしまいます。

この時に肉離れを発症してしまうのです。

 

例えば、水があまり溜まってなかった状態だったとしても、大きな負担がかかったとして、大量の水が注がれたら一気に溢れてしまいます。肉離れになってしまいます。

 

逆に、水がギリギリまで注がれていて、表面張力が働いているような状態だったとしたら…
ほんの少しの負担がかかって、ちょろっと水が注がれただけでも、水は溢れてしまいます。肉離れになってしまいます。

 

このように、必ずしも大きな負担がかからない限りは肉離れをしない、というわけではないのです。

その瞬間の体の状態によっては、ほんの些細なことでも肉離れを起こしてしまう可能性があるんです。

それが、日常生活で、いつも通りのことをしていたとしても…。

  

ですので、肉離れにならないためには、どこまで負担が蓄積しているのか?を把握できることが一番大事だったりします。
筋肉の場合、負担の蓄積と合わせて、筋肉が固くなってきます。
張ってきている、突っ張っている、だるい、重いなどを感じた時は注意してもらえることが重要です!

 

 

  • 肉離れを防ぐために必要なこと

肉離れの起こる原因は、『負担と回復のバランス』にあることはわかっていただけたと思います。

では、防ぐために何が必要になるのかも自然と導き出せるようになりますね。

水(負担)が溢れないようにすれば良いだけなんです。

 

その方法はいくつかあります。

①負担を少なくする

これが一番わかりやすいかと思います。そもそも負担をかけなければいい。
多くの人が「もう歳も歳やから辞め時かなぁ」なんて感じたりします。

でも、趣味で楽しくスポーツや運動をされてきてるのに、諦めるなんて勿体ないです!
明らかなオーバーワークであれば、運動量を見直す必要はありますが、諦めるのは最後の手段にしてほしいところです。

そもそも、運動をしてない人からしたらどうすれば、一体何を減らせばいいのか、何をやめればいいのか…となってしまいます。

 

②回復力を高める

これも普通に選択肢には挙がってくるかと思います。いわゆるストレッチを頑張らないと!という状態です。

もちろん、セルフケアとして、ストレッチや入浴、睡眠も大切ですし、日頃の食事(栄養状態)も大きくかかわってきます。今まで全くそういったことに気を使ってこなかった人は、これらを見直すだけでも大幅に改善できる可能性はあります。

ただ、日頃運動されてる人、スポーツを頑張っている人はストレッチも同じように頑張ってくれている人も多いです。その人たちに、「もっとストレッチを増やして!」というと…結構な負担やストレスになりますよね…。
セルフケアを増やす分、時間と労力が増えていきます。その結果、、、睡眠時間を削る、ということになってしまえば本末転倒です。

 

そこで提案です!

整骨院や整体院に通ってメンテナンスをしましょう!そうすれば痛みが出ないように運動が続けられますよ!

 

という話をすると「確かにそうなんかなぁ」、「お世話にならんとあかんかな」なんて納得しがちになりますが…

ちょっと待ってください!これは整骨院や整体院の通わせるための営業文句です!笑

 

まぁ、、、
もちろん、場合によってはそれが正解な場合もあります。

 

お金も十分にある、時間もたっぷりある、自分でセルフケアをするのは面倒でイヤだ、みたいな人であれば、整骨院や整体院に通い続けて管理してもらうのもアリだと思います。

ですが、大半の方はいつまでも通い続けるのは…と思いますよね。

私も通い続けるの嫌ですし…笑

 

 

では、どうすれば良いのか…を解決するのが、、、

③体の使い方を変える

です!

大枠としては①負担を減らすの中に含まれるのですが、運動やスポーツを減らすのではなく、負担のかかる場所を変えることで、負担を減らしましょう!ということです。

 

例えば、ふくらはぎを肉離れしたとします。それは、ふくらはぎの筋肉の許容量を越えて負担が蓄積してしまった結果です。日常生活の中で、ふくらはぎに負担をかけてしまってたという証拠だったりもします。

おそらく、そんな自覚はないと思いますが、痛めたということは負担をかけていたということなんです。

では、ふくらはぎにかけていた負担をもっと大きな筋肉に分散できたとしたら…?

 

例えば、太もも、お尻の筋肉。特にお尻の筋肉は単一の筋肉では人体で最大の筋肉と言われています。ふくらはぎの筋肉と比べても大きくて頑丈です。ふくらはぎだと許容オーバーになってしまう負担でも軽く受け止めることができます。

そうなれば、ふくらはぎが許容オーバーで肉離れを起こす可能性は格段に抑えることができます!

 

 

  • 体の使い方を変えるためにすべきこと

体の使い方といっても、急に意識して出来るものではありません。というか、普段どのように体を使っているのかがわかる人も少ないです。

そして、普段、無意識に使っているものを、意識して変えれるものでもありません。
これは『姿勢』のことも思ってもらえるとわかりやすいと思います。

良い姿勢にしようとして意識することはできるけど、それを継続することはほぼ不可能ですよね。

体の使い方も同じです。ではどうすれば良いのかというと…

 

無意識に体の使い方が変わるような刺激を入れないといけないのです。
それを当院ではワークと言っています。トレーニングほどきつくないし、ストレッチでもないし。

このワークを続けていただけると、徐々に体の使い方が変わってきます。
その結果、ふくらはぎにかけていた負担を大きな筋肉であるお尻に分散できるようになっていきます。
ポイントは、ワークをするだけで勝手に体の使い方が変わるということ!

お尻を使って歩けるようになるワークも紹介しますね。

これの他にも歩き方のワークや肉離れについての話をしている動画もあるのでよかったら見てみてください。

 

 

  • まとめ

肉離れはすればするほど再発もしやすくなる、とても怖いケガだったりもします。

ですが、正しい予防ができればそんなに怖がることもありません。

どこまで負担が蓄積しているのかを把握して、溢れる前に対処ができるようになることが重要です。
安静かもしれないし、ストレッチかもしれないし、施術を受けることかもしれない。

その時、その状況によって最適解は異なります。

ただ、それを施術を受け続ける事しかないんだ!と盲目になってしまうのももったいないと思うので、出来る事ならご自身の体は自分自身で管理できるようになっていただければと思います。

著者プロフィール  高橋 迪大(たかはし みちお)

たかはし鍼灸接骨院 院長
鍼灸師・柔道整復師・鍼灸専科教員
京大フェンシング部 トレーナー
NPO法人 TRAINER'S BANK 理事

《経歴》

  • ビーチサッカー日本代表選手のトレーナー
  • JFL 京都佐川印刷SC トレーナー
  • 京都精華学園中学・高等学校女子サッカー部 トレーナー
  • 和邇SSS トレーナー・コーチ
  • オスグッドの専門家としてTVへの出演