オスグッドは長引く? 最短で治す方法とは…

オスグッドは長引く? 最短で治す方法とは…

なかなか良くならないオスグッドとは?

オスグッド・シュラッター病は、特に成長期の子どもたちに多く見られる膝の疾患で、多くのスポーツ愛好者にとって頭を悩ませる問題です。この症状は一過性のものと思われがちですが、長期間にわたって痛みが続くケースも少なくありません。今回は、オスグッドがなかなか良くならない理由と、それに対する対策を詳しく解説します。

オスグッドが良くならない理由

成長期特有の症状

オスグッドは主に成長期に発症するため、成長軟骨(骨端線:骨の端の成長を促す部分)が関与しています。成長期の子供は、この骨端線(成長軟骨)が閉じるまでオスグッドから解放されないことが多いと言われています。

しかし、稀に成長期が終わった方でもオスグッドと診断される方がおられます。
実際に当院にもそういったご相談を全国からいただきます。

これは、オスグッドが単なる成長期だから起こるものではなく、体の使い方に問題があることを示しています。

適切な休息の不足

スポーツをしている子どもたちにとって、練習を休むことは避けたい選択肢ですが、適切に休息を取らないと症状が悪化することがあります。通常、痛みがある状態で運動を続けると、膝にかかる負担が増し、治癒を遅らせる結果となります。

練習を頑張ることが上達の一番の近道、とお考えの方も多いですが、負荷と回復のバランスが成り立っていることが最低条件です。

週に5~6日、オフなし(週7)、中には週に8日も何かしらの練習やトレーニングをしているという子もいます。
回復しきれていない状況で、運動を続けていれば当然、体は悲鳴を上げ始めます。

不適切なセルフケア

多くの人がセルフケアを実施しますが、その方法が誤っている場合、症状の改善は見込めません。アイシングの時間が短すぎたり、ストレッチや筋力トレーニングを正しく行っていなかったりすると、期待される効果が得られません。

特にストレッチでは、痛みを我慢して伸ばしていたり、痛いほど伸ばさないといけないと勘違いをしてしまっている方もいます。そんなことをしては逆効果になり、なかなか痛みが取れないどころか悪化することにも繋がります。

ストレッチは痛くない範囲でゆっくりと深呼吸をしながらリラックスしながら行うことが大切です。

診断や治療の遅れ

オスグッドは良くある成長痛と混同されることも多く、診断や適切な治療が遅れる原因になります。これにより、症状が慢性化してしまう可能性があります。

長引くオスグッドに対する対策

専門家の指導を仰ぐ

まずは専門家による正確な診断と治療を受けることが重要です。整形外科医や理学療法士、鍼灸師からのアドバイスを受けることで、個々の症例に適した治療法を見つけることができるでしょう。

整形外科や整骨院でも特にスポーツに特化していて、オスグッドの治療を得意とするところに相談することがお勧めです。

適切な休息

痛みがある場合は、無理をせず運動を中断し、膝を休ませることが必要です。また、負担の少ない運動に切り替えることも検討すると良いでしょう。基本的には痛くない程度に動かすことは積極的に取り入れてください。

動かすことで、血流が良くなり回復力が高まります。安静にして動かないことよりも治癒期間を短縮することが見込めます。

適切なセルフケア

セルフケアはオスグッドの症状改善に大きな役割を果たします。正しい方法でアイシングを行い、腫れや痛みを抑えましょう。ストレッチや筋力トレーニングは、専門家の指導の下で実施し、大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟性を高めると良いです。

生活習慣の見直し

栄養バランスの取れた食事や、適度な睡眠も重要です。これらは身体全体の健康に寄与し、自然治癒力を高めます。また、体重管理も膝への負担を軽減するために大切です。

動かすことで、血流が良くなり回復力が高まります。安静にして動かないことよりも治癒期間を短縮することが見込めます。

体の使い方(走り方)を変える

メンタル面の影響とサポート

精神的サポート

オスグッドは身体的な痛みだけでなく、スポーツに参加できないことからくる心理的ストレスも伴います。このため、精神的なサポートも必要です。家族や友人とのコミュニケーションを大切にし、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

オスグッドを一般的な治療で改善させるには、短期的な結果を求めるのではなく、長期的な視野での取り組みが求められます。回復には時間がかかることを理解し、一歩一歩進むことが大切です。

短期的に解決するためには、オスグッドになる理由、体の使い方を変えることが必須になってきます。

まとめ

オスグッドがなかなか良くならない理由には、成長期特有の要因や日常の習慣、走り方などの体の使い方が関係しています。適切な対策を講じ、専門家の指導を受けながら、自身の体と向き合うことが重要です。長い目で見て根気強く対応することで、痛みから解放され、充実した活動ができる日が訪れるでしょう。

著者プロフィール  高橋 迪大(たかはし みちお)

たかはし鍼灸接骨院 院長
鍼灸師・柔道整復師・鍼灸専科教員
京大フェンシング部 トレーナー
NPO法人 TRAINER'S BANK 理事

《経歴》

  • ビーチサッカー日本代表選手のトレーナー
  • JFL 京都佐川印刷SC トレーナー
  • 京都精華学園中学・高等学校女子サッカー部 トレーナー
  • 和邇SSS トレーナー・コーチ
  • オスグッドの専門家としてTVへの出演